肝臓外科(消化器外科)

先日当院で行った肝臓外科(正確には肝臓消化器外科)の難易度が高い手術を行いましたのでご紹介致します。上の動画で黄色および緑色で着色されているのが肝臓腫瘍になります。この症例は、他の動物病院さまからのご紹介で当院を受診されました(セカンドオピニオン)。またその際に、CT検査および腹腔鏡下肝臓生検を行いました。そして結果として、『高分化型肝細胞癌』という診断になりました。“高分化型”というのはあまり聞き慣れないかもしれませんが、わかりやすく言いますと、“おとなしい癌”もしくは“(この場合は肝臓なので)正常の肝臓細胞に類似している癌”といいましょうか、腫瘍は腫瘍ですけど、攻撃的なものとそうでないものが存在するのが腫瘍の世界なので、本症例では、そこまで攻撃的ではないけどかなり大きくなってしまって他臓器とも癒着している肝臓がん、ということになりました。

またCT検査では、周辺のリンパ節も問題なく、また周辺臓器への転移も認められなかったので、がんステージでいうところ『ステージ2』に該当しましたので、最も選択される治療法は外科的切除になりました。ですので、外側右葉および尾状葉尾状突起の肝葉切除を行いました。

手術後は、状態も安定しており、貧血が認められたため輸血も2回実施しましたが、現在は肝臓の数字もきれいに下がり、もうすぐ退院となります。比較的に落ち着いてくれていましたので、安心しました。

当院の肝臓消化器外科では、今回ご紹介した肝臓腫瘍をはじめ、胆嚢疾患(胆石症や胆嚢粘液嚢腫など)、胆管疾患(総胆管結石による胆管閉塞など)、門脈疾患(門脈体循環シャントなど)を担当しております。一般的には難しく、なかなか手が出せない臓器でもあり病気でもありますが、当院では手術は可能です。上手くいけば完治ができる病気が多いので、もしお困りのことがありましたら、決して諦めず、当院までご相談して頂ければと思います。

松波動物病院メディカルセンター 松波登記臣

 

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