【読書感想文】「経営リーダーのための社会システム論」を読んで思うこと①

経営リーダーのための社会システム論 構造的問題と僕らの未来

「14歳からの社会学」でも有名な宮台真司さんと「リーダーシップの旅」でも有名な野田智義さんの対談ベースの本書。個人的には野田智義さんの「リーダーシップの旅」がとても好きで、40年余を経て、自分らしいリーダーシップの言語化に成功したキッカケになった良本でした。宮台真司さんはいろいろ過激的な発言が多く、少し前に、とある事件に巻き込まれていたりしている人ですが、社会学者としては素晴らしい本をいくつも書かれています。そんなお二人が対談し、書籍化されたのがこの「経営リーダーのための社会システム論」です。経営者しか読んではいけないのか?というわけではありませんが、経営者や組織のトップ、さらにはリーダー的ポジションにいる/いた人との親和性が非常に高い本だと感じています。

  • 業界を気にしないといけない人
  • 多くの世代の人らと一緒に仕事をしないといけない人
  • 人や組織をまとめるときの喜怒哀楽を知っている人
  • 会社経営においてハードシングスを経験したことがある人
  • 経済的に日本社会を気にしないといけない人
  • 地域社会貢献をしている人(主に雇用と納税)
  • 上記を目指している人

上記が本書との親和性が高いと思った理由ですが、リーダー的な人になるかなと推察しました。ここでは内容に多く触れるつもりはなく、個人的な気づきや学び、そして自身の社会や世界に落とし込んだ考察やイシューに対する話やアクションなどをなぐり書きしていこうかと思います。

上記はAIで作成した画像なのですが、「社会が”郊外化”し、人付き合いが希薄化した街」というテーマで作ってもらいました。なので実際に存在する街ではありません。”郊外化”という単語をどうわかりやすくお伝えしようか迷っていましたが、上記画像で少しはイメージできた方もいるかもしれません。もっと解像度を上げてみると、「あなたはこの街で生活したいですか?」とお聞きします。私は「No」です。エリア的にはかなり広く、またこの中央に走る幹線道路を北上すると恐らくオフィスやお店が立ち並ぶ都心部につながると予想されます。ですが、この街は詰め込まれたかのようにマンションがひしめき合って並んでおり、緑も幹線道路に街路樹として存在しているだけ。またマンションが密集しているにもかかわらず、人の気配も感じることもできませんし、走っている車も多くありません。ここは都心部から離れたライフタウンと言っていいのかどうかも迷います。

“郊外化”を引き起こすイシューはいくつもありますが、主には長期的なデフレだったり経済格差だったり、物価が上がらなかったり、お給料が上がらなかったり、少子高齢化だったり、いろいろあるので、それを語るのはその専門家にお任せしましょう。個人的に気になっているのが、本書でも紹介されている団塊の世代以上の一人暮らしの高齢者が増え続けていくことが問題視されています。家族、友人、近隣の人、そして街自体から、さらには地域コミュニティからの隔離や乖離が起きてしまうことでの”郊外化”は、孤独死にも直結していることでも有名ですし、団塊の世代以上の高齢層でのカスハラ(カスタマーハラスメント)が問題になっています。話し相手がいない、だけでここまでのことが起こるのだろうか?・・・私は起こると思います。

人や地域からの郊外化によって、人は人との接点を無くします。夫や妻に先立たれてしまう、核家族化、などによって家には一人ぽっち。さらに昨今は生涯独身層も増えていることで、これらに拍車をかけているとか。また年金だけに頼れなくなっていることで、定年退職後も働かないといけないほどの経済状況にもかかわらず、団塊の世代以上の層で現在就業している後期高齢者はかなりマイノリティな状況だとか。働いていたりすれば、同僚やクライアントなどの接点もまだあるが、それも拒絶?(いろいろなご事情もありますので)することで、自身の郊外化を自身で加速させていたり。それと団塊の世代前後の男性は友人の数が圧倒的に少ないとか(これは立場や所得なども関係していると思いますが)。

これまでの社会システムによって引き起こされた郊外化に対して、何をすべきなのか?などを考えることは私には難しすぎるし、無理です。無理ではありますが、自分の業界にトレースした際に、何が社会システムの弊害によって起きてしまっているかを、調べる必要はあるかと思いました。業界の構造的問題、ペットオーナーの郊外化や損得化などは絶対自身の業界にも起こっているはずです。次回は、そのあたりにも触れていこうかと思います。良い社会をどう作っていくのか、どうコミュニティを形成していくべきなのか、それらは私たち大人に懸かっていると思います。

松波動物病院メディカルセンター
院長 松波登記臣

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